今週の日経平均株価分析(5月10日~5月14日)
こんにちは、ヤマちゃんです!
今週は4月の米消費者物価指数(CPI)の大幅な伸びにより、物価上昇圧力が景気回復を妨げるとの懸念から株価が下落しました。
同時に米長期金利の上昇も株価下落に拍車をかけ、日経平均株価は大幅下落の1週間となりました。
株価が上がった理由、下がったり理由を毎日確認していますが、ファンダメンタルは都合の良いように!?解釈されていることもあるため、私にとっては理解することがなかなか難しいです(笑)
株価の動きはチャートに現れていて、材料は後から付いてくる(後付け解釈で何にでもできる)とおっしゃる人もいるように、私も過去のチャートと現在のチャートの類似点を見つけて先の想定を立てていくことをこれからも大切にしていきたいと思います。
それでは今週の日経平均株価を振り返っていきます。
週足
「陰陽のたすき線」を形成して上昇を暗示した先週末から一転、今週は警戒していた28,400円のネックラインと26週線の同時割れを達成してトレンドが転換した一週間となりました。
今週の陰線で2020年3月安値→2021年10月安値を結んだトレンドラインの下値支持線も割り込み、コロナショックから1年続いた上昇トレンドが一旦の終焉を迎えたと考えられます。
26週線を回復できない展開が続いてしまうと52週線までの調整も考えられるため、来週以降は26週線と株価の位置関係に注目していく必要がありそうです。
日足
週明けの月曜日は25日線を回復して陽線を形成するも、終値ベースでは4/19→4/20に空けた窓の上限を12円分埋めることができず「窓を埋めたくない=上に行きたくない」という意思が感じられる値動きとなりました。
また、月曜日の終値は4月に何度も下値サポートとして機能していた29,500付近が上値抵抗として機能していること、これまでの安値→高値周期の対等数値である「10日」が該当していることから、窓埋めできなかった動きと合わせて「売る動作」が必要であったと考えられます。
火曜日は寄り付きの時点で再び窓を空けて25日線を割ってきたことから、月曜日の大引けと同様に「売る動作」が必要な場面でした
水曜日はBOXの下限である28,400円を終値ベースで割ってきたことから「BOX下放れ」の可能性が高くなり、売る動作をする最後の場面であったと考えます。
木曜日は25日線と75日線がデッドクロス且つ1/29安値も終値ベースで割り込み、明確な下落トレンドへの転換と思われました。
しかしながら金曜日は続落せずに1/29安値を回復して寄り付き「陰陽のたすき線」を形成して反発を期待させる組み合わせとなっていることから、木曜日のトレンド転換はオーバーシュート(騙し)になった可能性も考えなくてはならない状況で週末入りとなっています。
ボリンジャーバンドで見ると月曜日の高値は+1σに届かず、火曜日の陰線で-2σに到達し各バンドが拡大に向かう動きをしたことから、上値が重く下落の兆候が見られました。
先週のレポートに記載した傾向通り、水曜日にはネックラインと同時に-2σを割ってきたことが今回の下落のスタートの合図となりました。
金曜日は終値ベースで-2σを回復していますが、下へのバンドウォークが始まっている場合には-2σや-1σが戻り売りのポイントにもなるので、買いを入れる際には注意が必要です。
下値の目途
28,400円のネックラインを明確に割れたため、今回の下落の下値の目途をN値、E値、V値およびフィボナッチから探ってみます。
2/16高値:30,714円→3/5安値:28,308円→3/18戻り高値:30,485円とした場合。
N値=28,079円:達成済み
E値=25,902円
V値=26,131円
10/30安値→2/16高値の上昇幅で見た場合。
38.2%押し=27,747円:達成済み
50%押し=26,831円
61.8%押し=25,915円
2020年3月安値→2/16高値の上昇幅で見た場合。
38.2%押し=25,230円
50%押し=23,536円
61.8%押し=21,842円
10/30から半年続いた上昇相場の38.2%押しの水準で今週は下げ止まった形になっていますが、この水準を割った場合には節目の重なる25,900円~26,100円の価格帯が下値の目途になる可能性がありそうです。
過去チャートから見られる傾向
下落が始まった中で、次に考えなければならないのは「いつまで下げるか?」「どこから買っていくか?」であるため、3,000円級の下落をした時の日柄の傾向を過去チャートから探ってみます。
2020年は高値から43日で底入れをしました。途中21,000円の水準で下げ止まる雰囲気を見せるも5日線が抵抗となり更に下落しています。
2018年1月は高値から16日で一旦の底入れ、43日で大底を打ちました。途中で1,000円程の反発が入るも、下向きの25日線が抵抗となって再度下落に転じています。
2018年10月、12月は高値および戻り高値から17日で底入れしました。下落の後の反発や下落の最中の反発で下向きの25日線が抵抗となり、再度下落する場面が見られます。
2015年末から2016年にかけては34日で一旦の底入れ。その後2,000円近く反発するも、下向きの25日線が抵抗となって再度下落に転じ49日で大底を打ちました。
2015年は高値から33日で底入れしました。途中、1,000円ほどの反発が入るもネックラインが上値抵抗となり再度下落に転じています。
これらのチャートから、
・底入れの日数は一目均衡表の基本数値や複合数値が意識される
・下落の途中で1,000円程度の反発が入る
・下向きの25日線やネックラインに上値を抑えられ再度下落に転じる
という傾向が見られます。
現在のチャートに当てはめると、下向きの25日線とローソク足がぶつかる時や、28,400円のネックラインに近付く時は戻り売りを狙っていく場面になると想定ができそうです。
TOPIX
TOPIXも日経平均株価と同様に月曜日は窓の上限が上値抵抗となり、下落に転じています。
木曜日の安値も2月の窓が意識されており、一旦は下げ止まった価値になっていますが、25日線と75日線がデッドクロス間近の状況となっており、反発したとしても25日線が抵抗となって上値を抑えられる可能性がありそうです。
指標
木曜日の下落で騰落レシオは売られ過ぎである70台に突入しました。コロナショック以外の暴落場面では騰落レシオが70台の水準になると下げ止まって「買い場」になることが多いため、騰落レシオから判断すると木曜日が買い場と考えることができます。
ただし、コロナショックの様に70台で下げ止まらずに更に深堀りすることもあるため、買い場と決めつけないように注意することも必要です。
空売り比率は久しぶりに40台後半を連日記録しました。40台後半~50台を記録すると株価が底打ちする傾向があるため、上述の騰落レオと合わせて考えると木曜日に一旦下げ止まって買い場になった可能性はありそうです。
GW前および先週の投資主体別売買状況は、海外勢が買い越し、個人が売り越しとなっています。
来週発表される今週の投資主体別売買状況は恐らく海外勢が売り越し、逆張りの個人は買い越しとなっているのはないでしょうか。
来週の戦略
戻り売りをメイン戦略として立ち回ります。下向きの5日線、25日線、-1σ、28,400円のネックラインを上値が抑えられる抵抗として見ていきます。
下値は今週木曜日の安値を目途とし、売りの利益確定よりも先に打診買いを入れていくように心掛けます。
仮に安値を割れたら買いポジションをロスカットして、できるだけ売りポジションの利益を伸ばせる行動をしていくことが大切だと考えます。
気がかりなのは先物市場で、先物市場は28,100円のネックラインおよび5日線で綺麗に上値を抑えられているため、金曜日が戻り高値になった可能性も考えておく必要があるかもしれません。
意識する日柄
・5/10高値から9日目の5/20
・4/21安値から17日目の5/19
・4/6高値から26日目の5/17
・3/18高値から42日目の5/20