今週の日経平均株価分析(10月25日~10月29日)
こんにちは、ヤマちゃんです!
いよいよ衆議院選挙が明後日に迫ってきました。
そんな中、とある党の面白い発言?が巷で話題になっています。
立件民主党の江田代表代行がNISA口座で得た利益に対しても課税する、という認識を示したニュースです。
そもそもNISA(少額投資非課税制度)は投資で得られた利益が一定期間非課税になる制度のはずであるのに、そのNISAに対してい課税をするという発言をしてしまうのは「ちゃんと勉強しているの?」と思われしまっても仕方がないのかなと感じます。
2019年には老後2000万円問題がニュースでも話題になり国民の投資に対する意識が飛躍的に伸びたと思いきや、その2年後の今年には「金融所得課税の引き上げ」が岸田首相から発言されるなど、投資をすればするほど国に取られてしまうのが分かり切ってしまうと国民の投資に対する意欲も減退してしまう可能性があるのではないでしょうか?
(金融所得から取るのが手っ取り早いと言われれば否定できませんが…)
また2024年後半にはマーケットの取引時間が30分延長されるとのニュースも出ており、投資家が国に翻弄されるニュースがまだまだこの先、沢山出てきそうです。
(私個人としては取引時間の延長は反対です。)
もっと国民(投資家)にとって優しい制度があってほしいと願うばかりです。
それでは今週の日経平均株価を振り返っていきます。
月足
9月の高値を起点に10月前半まで調整する動きが見られたものの、ローソク足は8月安値を割れることなく12ヶ月線上に留まる形となっています。
9月のローソク足と合わせると「陽陰のはらみ線」を形成し強さはなく、下落にも注意が必要な組み合わせとなっています。
10月の月足としては長い下髭を形成する陰線(たくり線)を形成し下値の固さを感じることもできますが、高値圏での長い下髭は「首吊り線」になる可能性もあるため、11月、12月と急落には注意が必要なローソク足と捉えることもできます。
週足
13週線を維持して終えた先週末でしたが、今週は13週線、26週線を割れて寄り付き方向感に迷う週明けとなりました。
週末にかけて再び13週線、26週線を回復しましたが、ローソク足の組み合わせは「陰陽の入り首線」を形成し、陽線ながらも上髭を形成していることからあまり強さを感じず上値が重い今週となっています。
移動平均線は衆議院選挙の日程に合わせるように28,500円付近に収束する動きとなり、選挙をきっかけにどちらかに動くことが想定される環境となっています。
日足
200日線を辛うじて維持して終えた先週末でしたが、今週は200日線を維持できずに下落して始まる週明けでした。
下落したものの、寄り付きは75日線を維持し、ローソク足としては陽線を形成したことから「75日線を維持したい」という意思が感じられる月曜日の値動きでした。
火曜日は大幅にギャップアップして始まり200日線、25日線を一気に回復しました。ローソク足は大きめの陽線を形成し翌日の続伸を期待させる形となりました。
しかしながら25日線が下向きの状態では簡単に上昇することはできず、水曜日は火曜日同様に29,200円付近で上値を押さえられる展開となりました。
上昇後に上値が重いと次に待ち受けるのは下値を試す展開であり、木曜日はギャップダウンして始まり、下髭を形成するもののローソク足は陰線で方向感に迷う状況となりました。
金曜日も一時的に下押しする場面が見られたものの75日線および月曜日の安値で下げ止まり、終値ベースで再び25日線200日線を回復しています。日足としては「勢力線」を形成し、選挙明けの月曜日のギャップアップを期待させる形での週末入りとなりました。
衆議院選挙を控えた今週は、日足レベルでは移動平均線が収束する28,800円近辺が最も居心地が良かったのかもしれません。
選挙明けの株価の動きとして、「上がるパターン」と「下がるパターン」の2つを節目と共に想定してみます。
上がるパターンの条件として➀10/26高値を超えること➁トレンドラインの上値抵抗線を超えること➂10/20高値を超えることが絶対であり、10/20高値を明確に超えると75日線を下値サポートとした「ダブルボトム」と考えることができそうです。
下がるパターンの1つ目として、一旦上昇するも10/20高値を明確に超えられずに、10/25安値および10/29安値を割るパターンがあります。
この場合、上述の上がるパターンとは逆で10/25安値および10/29安値をネックラインとした「ダブルトップ」と考えることができます。
下がるパターンの2つ目として、現在10/20高値を起点に高値の切り下げが起こっているため、「上値切り下げ型の三角保ち合い」を下抜けていく展開も想定できそうです。
先週の分析で上昇した時の短期的な値幅の目安を立てましたが、今週の安値が先週の安値を更新したため、再度上値の目途のN値、V値を計算し直します。
10/6安値(27,293円)→10/20高値(29,489円)→10/25安値(28,472円)とした場合。
N値=30,668円
V値=30,506円
となり、2/16高値や9/14高値の水準が意識される水準となります。
ボリンジャーバンドは-1σが明確に波打ちをし、全てのバンドが収束に向かう動きとなっています。
+1σにに到達しない上値の重さ(上昇の弱さ)がありますが、選挙をきっかけに週明け+1σまで反発する可能性があることには注意する必要があります。
ただし、+1σは個人の信用買いが溜まっている29,500円付近と重なるため、上昇したとしても上値が重くなる可能性は大いにあります。
今週の売買ポイントを振り返ると
・75日線で寄り付き陽線を形成した月曜日の寄り付きもしくは大引け:「買う動作」
・トレンドラインの上値抵抗線に近付いた火曜日の大引け:「売る動作」
・火曜日の高値を更新できずトレンドラインの上値抵抗線に近付いた水曜日の大引け:「売る動作」
・75日線および月曜日安値に近付いた金曜日「買う動作」
を行う場面であったと考えます。
TOPIX
TOPIXの25日線と75日線の間で様子を伺う週後半となっています。
上値切り下げは日経平均株価と同様ですが、金曜日のザラ場中に月曜日の安値を割っていることが異なる点となっています。
1,980ポイントで値固めをできずに割れていくような展開があると、全体相場が調整に入る可能性があります。
指標
先週同様に25日騰落レシオは80を割れて売られすぎの水準に入っています、騰落レシオで見た場合には「買い場」となっています。
騰落レシオから見ると一旦の反発が入っても何ら不思議ではない状況となっています。
空売り比率は木曜日に54.2の記録的な数字を叩き出しました。
50台を記録すると数日以内に底入れする傾向がありますが、木曜日の空売りが金曜日の下髭(=買戻し)で解消された可能性も十分にあります。
空売りの解消が進んでいない場合には週明けの上昇を期待できるかもしれません。
先週の投資主体別売買状況は海外が売り越し、個人が買い越しとなっています。
上昇の過程で海外勢が利益確定を進めたのか、下げを取るための売りを仕込んでいたのかは分かりませんが、個人(信用)と逆の動きをしていることには要注目です。
来週の戦略
28,500円~29,500円の小さなBOXをどちらに放れるか注目して見ていきます。
大局ではBOX相場がメインシナリオですが上値が重いことや、選挙明けで株価が上下に動きやすいことを念頭に置き、株価の動きを追いかけてポジションを取ることのないように節目をしっかりと設定して立ち回ります。
来週意識する上下の節目は以下の通りです。
上値:10/26高値(29,160)、10/20高値(29,489円)、9/28→9/29の窓、上値抵抗線(9/14高値→9/27高値)、5日線、+1σ
下値:8/20安値(26,954円)、10/6安値(27,293円)、10/25安値(28,472円)、25日線、75日線、100日線、200日線、-1σ、-2σ
意識する日柄
・10/20高値から9日目の11/1
・9/14安値から33日目の11/1
・8/20安値から51日目の11/2
選挙明けの2日間が意識する日柄となりそうです。
上値目途(値幅計算)
・30,506円:0/20高値(29,489円)→10/25安値(28,472円)のV値
・30,668円:10/6安値(27,293円)→10/20高値(29,489円)→10/25安値(28,472円)のN値
・31,685円:10/6安値(27,293円)→10/20高値(29,489円)のE値
・32,538円:2018年10月高値(24,448円)→2020年3月安値(16,358円)のV値
・32,300円:1989年最高値→2008年安値のフィボナッチ78.6%戻し
・34,474円:2021年2月高値(30,714円)→2021年8月安値(26,954円)のV値
・34,720円:2020年10安値(22,948円)→2021年2月高値(30,714円)→2021年8月安値(26,954円)のN値
下値目途(値幅計算)
・25,946円:2020年10月安値(22,948円)→2021年9月高値(30,795円)61.8%押し
・25,280円:2020年3月安値(16,358円)→2021年9月高値(30,795円)の38.2%押し
・23,576円:2020年3月安値(16,358円)→2021年9月高値(30,795円)50%押し
・23,113円:8/20安値(26,954円)→9/14高値(30,795円)のE値
・21,873円:2020年3月安値(16,358円)→2021年9月高値(30,795円)61.8%押し